こんにちは!
オムツ交換や清拭、車椅子移乗などの日々のケアで
「腰痛」に悩んだことはありませんか?
私は座る暇もなく「立ち仕事」というだけでも腰が痛くなってしまいます。
また特に私の務めている病棟は、高齢者の方が多く入院しているため、
全介助の方も多くいらっしゃいます。
そのため日々のケアで腰を痛めることが多く、よく腰を叩いてはさすり…
時には湿布でごまかし…なんてことを繰り返して過ごしています。
腰痛は本当につらいです!
腰痛がひどくなると、仕事にも支障をきたしてしまいます。
そのため腰痛にならないように、日々のケアにボディメカニクスを活用していきましょう!
ボディメカニクスを活用することで、介助者の負担が軽減できます。
また「患者・利用者」を主体とすることで、恐怖心を軽減でき、介助される側も安心して行えます。
ということで、今回はボディメカニクスについてお話ししたいと思います。
Contents
ボディメカニクスとは
ボディメカニクスは英語で表すと、
「body 」=身体、「mechanics」=機械
人間が動作するときに神経系や骨格系、筋系などがどのように相互作用するのか、という力学的関係を活用したものです。
医療や介護の場面でボディメカニクスを取り入れることで、無駄な力を使わずに最小限の力で身体介助を行うことができます。
そのため腰痛予防にも効果があります。
また「看護・介護者」「患者・利用者」の両者の身体的負担を軽減することができます。
ボディメカニクスを活用する背景には、
看護者や介護者の身体的負担が大きく、腰や肩を痛めることが多いことがあげられます。
8つの原理
ボディメカニクスは、8つの原則から成り立っています。
支持基底面積を広くする
体重を支えるために必要な床面積を「支持基底面」と言います。
これを広くすることで、介助する時に安定感があります。
看護・介護者(介助者)の両足を前後・左右に足を大きく開くことで安定感がアップします。
重心の位置を低くする
膝を曲げて身体の重心を低くすることで、より安定感がアップします。
そのため介助者の腰痛予防にもつながります。
重心の移動をスムーズにする
足先を重心移動する方向に向けて、膝の屈伸を利用して重心を移します。
そうするとことで骨盤が安定し、スムーズに移動することができます。
この時に背筋を伸ばすことで、腰痛予防につながります。
また、持ち上げてから移動させると、重力の影響で重く感じてしまいます。
そのため、移動介助の時は水平方向にスライドさせるようにすると介助しやすくなります。
重心を近づける
「看護・介護者」と「患者・利用者」の身体を密着させて、重心を近づけます。
重心を近づけることで安定感をがあり、介助者の力が入りやすくなります。
身体を小さくまとめる
「患者・利用者」の腕や足を組み、身体を小さくまとめます。
そうすることで、身体とベッドなどの摩擦する面積を少なくすることができ、介助しやすくなります。
手前に引く
押すより引くほうが力を分散させないため、少しの力で介助できます。
大きな筋群を使う
腕など一つの筋肉だけでなく、腰・脚・背中など身体の大きな筋肉を一緒に使って介助します。
全身を使うことで、力が分散され負担を減らすことができます。
てこの原理を使う
支える部分(支点)・力を加える部分(力点)・加えた力が働く部分(作用点)の関係を利用して、小さい力を大きい力へ変える原理です。
ベッドサイドに膝を押し付けるなど、膝や肘を支点として遠心力を利用することで、効率的な動作が可能になります。
ボディメカニクスの活用方法
介助の基本的な考え方は、
- 人が動く時は、必ず頭が動く。
- 介助する際は、私達が普段行う自然な動きを意識する。
- 動作の主体は、「患者・利用者」であること。
身体の向きを変える
- ベッドで仰向け(仰臥位)にします。
- 腕を前に組み、足を揃えて膝を立てます。(身体を小さくまとめる)
- 「てこの原理」と「トルクの原理」を使います。膝を力点として、膝から向きを変えます。
力点が回転軸から離れているほど回転作用が大きくなり、小さな力で回転させることができること。
立ち上がる
車椅子やベッドに座っている状態から
- 「患者・利用者」の腕を介助者の肩にまわしてもらいます。
- 介助者はなるべく腰を落とし、重心を低くします。
- 両腕を「介助される方」の背中にまわします。
- その後、前傾姿勢にさせて一緒に立ち上がります。
この時に、頭が弧を描くような(らせん状)動きを意識しましょう。また、頭部から体幹を前傾させ、足の力と頭の振り子運動を利用して立ち上がります。
座る
- 介助者は支持基底面を広く取ります。
- 介助者は「患者・利用者」と同じ高さに腰を落とします。
- 頭を下げて前かがみして、腰をかけます。
まとめ
今回はボディメカニクスについてお話ししてきました。
ボディメカニクスを活用することで、介助者の負担が軽減できます。
また「患者・利用者」を主体とすることで、恐怖心を軽減でき、介助される側も安心して行えます。
そのためボディメカニクスは「看護・介護者」と「患者・利用者」の両者にメリットがあります。
是非、ボディメカニクスを習得して実践してみて下さい。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。