医療・介護

誤嚥性肺炎から予防しよう!口腔ケアの大切さについて

こんにちは!

「口腔ケアが感染予防に重要なこと」
と知っているという方もいると思います。

けれども!!

歯がない人はどうすればいいの?
口を開けてくれない。

など、悩んだことはありませんか?

そこで今回は、医療現場だけでなく、在宅医療・介護している方にも、わかりやすく説明していきたいも思います。

口腔ケアとは

口腔の疾病予防、健康保持・増進、リハビリテーションによりQOLの向上を目指した技術のことです。

口腔ケアの目的

口腔ケアの目的としては、

  1. 口腔内を清潔保つ
  2. 口腔機能の維持・向上

この2点です。

詳しく説明していきます。

口腔を清潔に保つ

高齢者は唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥しています。唾液の量が低下すると「自浄作用」も低下して、感染が起こりやすくなります。

また、虫歯や歯周病などの口腔内細菌は、唾液や血液に運ばれて全身疾患を引き起こす原因となります。

口腔内細菌による全身疾患
  • 誤嚥性肺炎
  • 脳血管疾患
  • 感染性心内膜炎
  • 敗血症
  • 虚血性心疾患
  • 高血圧
  • 糖尿病

そのほかに、舌の表面にある味蕾(みらい)という小さな器官があります。
自浄作用が低下していると、舌の表面に舌苔がつきやすくなります。舌苔がつくと、味を感じにくくなったり、味覚が変化したりすることがあります。

食事をとれない場合では、咀嚼行為の減少などによって唾液の分泌量が減少し、唾液による洗浄作用や抗菌作用が低下し感染が起こりやすくなってしまいます。
そのため、食事をしていない場合も口腔ケアは必要です。

口腔機能の維持・向上

口腔機能が低下することで、「咀嚼」(噛む)「嚥下」(飲み込む)動作がスムーズに行えなくなります。
そのため、十分な栄養を摂取できなくなり、低栄養状態や運動機能の低下につながります。

また、口腔機能の低下を予防することで大脳を刺激し、脳機能を保持するため認知症の予防にもなります。

以上のことから、口腔ケアはQOLの維持・向上に重要な役割があります。

口腔ケアの方法

口腔ケアの方法やポイントについて、紹介していきます。

体勢を整える

首の角度調整がとても重要です。
ベッドは30〜60°で、首が後屈しないよう枕などで調整しましょう。

側臥位にする場合は、麻痺側と健側に注意しましょう。
麻痺側を上に、健側を下にします

含嗽(うがい)をする

コップやストローを使って含嗽を行い、口腔内の食べ物の残渣や汚れを除去していきます。
入れ歯がある方は外してから行いましょう。
入れ歯の外し方については、後ほど紹介します。

2種類の含嗽

ぶくぶく含嗽:30秒程すると口腔内の食物残渣や汚れが除去
ぐちゅぐちゅ含嗽:歯と歯の隙間や歯肉縁下の細菌や汚れを除去
ガラガラ含咳:喉のに付着した細菌や汚れを除去

粘膜を湿潤する

乾燥した粘膜、高齢者や免疫疾患患者の粘膜は傷つきやすく、傷から細菌が侵入して感染を引き起こす原因となることがあります。
また乾燥した痰などを無理やりはがすと出血します。

そのため口唇や口腔内に湿らせたガーゼやジェルで、湿潤させましょう。

口を開けてもらえないときは、K-pointを刺激する方法があります。
下の歯列に沿って指を奥に入れて、ぶつかった辺の内側を押して刺激します。開口したら、バイドブロックや歯ブラシの柄にガーゼを巻いたものを嚙ませます。
また、頬や顎のマッサージをして、リラックスさせましょう。

粘膜を清掃する

粘膜を湿潤すると乾燥した痰や汚れが軟らかくなるため、ガーゼやスポンジブラシで除去します。

歯ブラシ

歯の外側(上下の歯):毛先を斜め下または上に向けて毛先を歯と歯の間に入れ、小さく動かす。
歯の内側(上下の前歯・奥歯):歯ブラシを立てて、上下にやさしく動かす。

誤嚥しないよう、適宜に水を切りましょう。

スポンジブラシ

  1. 上側・下側の歯肉と頬粘膜と歯をこする。
  2. 頬粘膜を優しく伸ばすようにストレッチする。
  3. 上側・下側の歯と歯肉の内側をこする。
  4. 口蓋粘膜を奥から手前にこする。
  5. 口蓋を中央から外側にこする。
  6. 舌を奥から手前に刺激する。
  7. 舌を中央から外側に刺激する。
  8. 舌の下面を刺激する。

口蓋を清掃する

湿潤した郊外の汚れは、奥から手前にガーゼやスポンジブラシで除去します。

舌を清掃する

乾燥した厚い舌苔は、湿潤に時間をかけます。
また一度に全部取るのではなく、時間や日にちを空けて行いましょう。
汚れが軟らかくなったら、スポンジブラシで奥から手前に除去します。

汚れを流す

含嗽ができる方は汚れを流します。
できない方は、その都度汚れをしっかりと除去しましょう。

舌根部や咽頭周囲、歯と歯の間、上の歯の裏側などには乾燥した痰や血塊、保湿剤などが張り付いているため、注意して観察しましょう。

入れ歯の着脱と洗浄

総入れ歯

  1. 口を大きく開けすぎないようにして、指で更新を横に広げます。
  2. 回転させながらはずします。
  3. 入れ方は、外し方の逆です。

部分入れ歯

  • はずし方:バネに指をかけてはずします。
  • 入れ方:バネをかける歯の位置に合わせて指で最後まで入れます。

洗浄方法

流水下で、ブラシで洗います。
この時に歯の部分や裏側、バネ部分も忘れずに洗いましょう。

まとめ

今回は、口腔ケアについてお話してきました。

口腔ケアを行って口腔内を清潔保つことで、感染や全身疾患を予防することができます。
また舌には味蕾があるため食事をおいしく感じることができ、食欲が増進します。

さらに、口腔機能の維持・向上することで「咀嚼」「嚥下」動作がスムーズになり、脳も刺激されるため認知症予防にもなります。

このように口腔ケアはQOLを維持・向上することができます。

そのため口腔ケアをしっかりと行っていきましょう!
方法も紹介したので、是非試してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。